女性の浴衣の描き方講座 〜浴衣と着物の違い・特徴を解説!〜
浴衣や着物は、似ている形をしていますが、多くの違いがあるのをみなさんはご存知ですか?
この記事では、「着物と浴衣は何が違うのか」「浴衣の基本的な構造と着方」などについて説明しています。
後半では「比率と補助線で浴衣姿を描く」をテーマで、比率を用いて分かりやすく浴衣姿を描く際のポイントについて解説しています。
この講座を通して浴衣や袴、着物の描き方をマスターしましょう!
着物と浴衣の違いと浴衣の基本構造
着物と浴衣は何が違うのか?
着物と浴衣の見た目はとてもよく似ています。それぞれ何が違うのかについて、名称を踏まえつつ特徴を学んでいきましょう。
最初に着物姿について解説していきます。
着物姿の特徴としては、半襟(えり)、帯揚げ、帯締め、帯留め、足袋(たび)がある点です。身に付ける帯の種類は、袋帯、名古屋帯などとなり、履物は草履(ぞうり)を身につけます。
次に、浴衣姿の特徴についてです。着物姿とは違い、半襟、帯揚げ、帯締め、帯留め、足袋はありません。身に付ける帯の種類は半幅(はんはば)帯、兵児(へこ)帯などになります。
足には何も履かず、履物は下駄を履きます。
上図の解説はあくまで一例であり、一つでも欠けたら誤りというわけではありません。
最近ではアクセサリー感覚で飾り紐(帯締め)や帯留め、足下にはレース足袋を履いている姿を目にすることもあります。組み合わせによっては和洋折衷の着こなしも表現できますが、基本型として覚えてもらえたらと思います。
浴衣の基本的な構造と着方
着物も浴衣も着方は人によって千差万別ありますが、定番の着付けを紹介します。
女性の浴衣は、全長が身長と同程度の長さがあります。
浴衣が長すぎる場合、長さを調節するためにお腹のあたりで布を折り畳むように着ます。この調整したこの部分のことを「おはしょり」といいます。
ちょうどスカートを折り曲げて長さを調節するのに似ています。
次に、浴衣を紐で固定し、帯を巻くと着付けの終了です。
比率と補助線で浴衣姿を描く
ここからは浴衣姿を実際に描く場合にポイントとなる「比率」と「補助線」について解説していきます。
帯の位置、衿、胴体
7~8頭身の人物を参考に、帯の位置と高さの決め方を紹介します。長さの基準には「頭の全体の大きさ」と「顎から髪の生え際までの顔の大きさ」を用います。
最初に帯の下部分の位置ですが、頭の大きさの二つ分下の位置になり、帯の下部分からちょうど顔の大きさ分が帯の幅となります。
次に、襟についてです。
まずは鎖骨のくぼみあたりに基準点を置き、バストトップを通る線を利用してイラストのような三角形を描いていきましょう。この三角形をガイドに、襟を描いていくとよいでしょう。
ガイドの三角形は正三角形である必要はありませんが、あまりも極端な二等辺三角形になると、着崩れてだらしなくなってしまうので注意しましょう。
帯の位置や幅、襟が描ければ、あとは体のラインに沿って足の部分を描きます。浴衣では体の凹凸をあまり見せない方が美しいと言われています。
そのため、シルエットは基本的に寸胴でストンと下にいうイメージで線を描いていきましょう。
下半身は下のイラストの左のようにまっすぐに描いても良いのですが、右のように「裾すぼり」といって裾に向かってややカーブしているシルエットも美しいです。
また、浴衣の丈はくるぶし辺りが涼しげで良いとされています。あまり短めだと活発で元気なイメージになりますが、子どもっぽくみえることもあります。
次に、女性の衣紋(えもん)を抜いたところを描いていきます。
「衣紋を抜く」とは襟を首の後ろに少し下げることをいいます。この状態を描くときのポイントは、女性の場合は拳一つ分、または指四本分襟を下げると女性らしさが出るという点です。
描き方の順序は、下のイラストのようになります。
続いては帯についてです。
浴衣の場合は半幅帯がよく利用されます。着物の時に結ぶ袋帯との違いは、その名の通り約半分の幅であるという点です。半幅帯の幅は15~17cmが標準です。
おおよそ成人女性の顔の大きさと言われています。
縫い目や折り目について理解する
ここからは、縫い目や折り目について説明していきます。
長着にある緑の線がおくみ線です。おくみ線とは、上前(うわまえ)とおくみの部分を縫い合わせた境目の線のことです。体の真ん中ではなく、右足付近にある方が良いと言われています。
人によっては親指と人差し指の間、または小指付近という方もおり参考程度に理解しておくとよいでしょう。
背中心は背中にある縫い目のことです。
実際に着用している写真を見ると上半身のみまっすぐになっており、帯より下は人によっては赤い線のようにずれることがありますが、イラストではまっすぐ下に下ろした方が違和感はないでしょう。
脇線についても、人によっては前にきたり後ろにきたりしますが、身体の真横に引いてもよいでしょう。
袖付け線は、下のイラストの緑色の線になり。身体の真ん中から袖口までのちょうど半分の位置にあります。
浴衣にできる主なシワ
下のイラストは、浴衣にできる主なシワは示したものです。
基本的に浴衣は生地が薄いので、シワの寄り方も多少細かく描くことで「らしさ」が増してきます。
浴衣に合う小物と衿あわせ
最後に、浴衣に似合う小物と衿あわせについて紹介していきます。
浴衣に合う小物
最初は帽子です。麦わら帽子やカンカン帽、フラッパースタイルなど、キャラクターに合わせて被らせあげると良いでしょう。
浴衣姿と言えば夏まつりのイメージもあるので、扇子やうちわも似合います。
うちわは帯と背中の間に指すのが一般的で、扇子は身体の前側に挿します。
次はかんざしです。髪を巻いてあげるものや、髪に挿すものなど様々な種類があります。イラスト的には造花を付けても華やかに見えます。
続けて、バッグです。浴衣には籠(かご)バッグや籠巾着(かごきんちゃく)が似合いますが、必ずこういったバッグを持つべきというルールが決まっている訳ではありません。涼しげなバッグを持たせるとより浴衣らしさが表現できるという参考です。
最後に、飾り紐(かざりひも)と帯締めです。帯留めは着物用・浴衣用と区別はありませんので、キャラクターに合うものを付けましょう。
下のイラストのように、裏が金具になっていて紐を通すもの、とんぼ玉のように穴が空いていて紐を通すものなどの種類があります。
衿あわせ
人によって様々な着方・楽しみ方・描き方がある浴衣ですが、一つだけルールがあります。
それは「衿(えり)合わせ」です。浴衣姿を含む着物全般では、かならず自分から見て右が手前、左がその上、という着方をします。これ「右前(みぎまえ)」と言います。
覚え方としては、向いあわせで見た場合、英語の「y」の文字になっている、右手が懐に入る、という覚え方をします。
まとめ
女性の浴衣の描き方講座はいかがでしたか?
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浴衣や着物は、似ている形をしていますが、多くの違いがあるのをみなさんはご存知ですか?
この記事では、「着物と浴衣は何が違うのか」「浴衣の基本的な構造と着方」などについて説明しています。
後半では「比率と補助線で浴衣姿を描く」をテーマで、比率を用いて分かりやすく浴衣姿を描く際のポイントについて解説しています。
この講座を通して浴衣や袴、着物の描き方をマスターしましょう!
着物と浴衣の違いと浴衣の基本構造
着物と浴衣は何が違うのか?
着物と浴衣の見た目はとてもよく似ています。それぞれ何が違うのかについて、名称を踏まえつつ特徴を学んでいきましょう。
最初に着物姿について解説していきます。
着物姿の特徴としては、半襟(えり)、帯揚げ、帯締め、帯留め、足袋(たび)がある点です。身に付ける帯の種類は、袋帯、名古屋帯などとなり、履物は草履(ぞうり)を身につけます。
次に、浴衣姿の特徴についてです。着物姿とは違い、半襟、帯揚げ、帯締め、帯留め、足袋はありません。身に付ける帯の種類は半幅(はんはば)帯、兵児(へこ)帯などになります。
足には何も履かず、履物は下駄を履きます。
上図の解説はあくまで一例であり、一つでも欠けたら誤りというわけではありません。
最近ではアクセサリー感覚で飾り紐(帯締め)や帯留め、足下にはレース足袋を履いている姿を目にすることもあります。組み合わせによっては和洋折衷の着こなしも表現できますが、基本型として覚えてもらえたらと思います。
浴衣の基本的な構造と着方
着物も浴衣も着方は人によって千差万別ありますが、定番の着付けを紹介します。
女性の浴衣は、全長が身長と同程度の長さがあります。
浴衣が長すぎる場合、長さを調節するためにお腹のあたりで布を折り畳むように着ます。この調整したこの部分のことを「おはしょり」といいます。
ちょうどスカートを折り曲げて長さを調節するのに似ています。
次に、浴衣を紐で固定し、帯を巻くと着付けの終了です。
比率と補助線で浴衣姿を描く
ここからは浴衣姿を実際に描く場合にポイントとなる「比率」と「補助線」について解説していきます。
帯の位置、衿、胴体
7~8頭身の人物を参考に、帯の位置と高さの決め方を紹介します。長さの基準には「頭の全体の大きさ」と「顎から髪の生え際までの顔の大きさ」を用います。
最初に帯の下部分の位置ですが、頭の大きさの二つ分下の位置になり、帯の下部分からちょうど顔の大きさ分が帯の幅となります。
次に、襟についてです。
まずは鎖骨のくぼみあたりに基準点を置き、バストトップを通る線を利用してイラストのような三角形を描いていきましょう。この三角形をガイドに、襟を描いていくとよいでしょう。
ガイドの三角形は正三角形である必要はありませんが、あまりも極端な二等辺三角形になると、着崩れてだらしなくなってしまうので注意しましょう。
帯の位置や幅、襟が描ければ、あとは体のラインに沿って足の部分を描きます。浴衣では体の凹凸をあまり見せない方が美しいと言われています。
そのため、シルエットは基本的に寸胴でストンと下にいうイメージで線を描いていきましょう。
下半身は下のイラストの左のようにまっすぐに描いても良いのですが、右のように「裾すぼり」といって裾に向かってややカーブしているシルエットも美しいです。
また、浴衣の丈はくるぶし辺りが涼しげで良いとされています。あまり短めだと活発で元気なイメージになりますが、子どもっぽくみえることもあります。
次に、女性の衣紋(えもん)を抜いたところを描いていきます。
「衣紋を抜く」とは襟を首の後ろに少し下げることをいいます。この状態を描くときのポイントは、女性の場合は拳一つ分、または指四本分襟を下げると女性らしさが出るという点です。
描き方の順序は、下のイラストのようになります。
続いては帯についてです。
浴衣の場合は半幅帯がよく利用されます。着物の時に結ぶ袋帯との違いは、その名の通り約半分の幅であるという点です。半幅帯の幅は15~17cmが標準です。
おおよそ成人女性の顔の大きさと言われています。
縫い目や折り目について理解する
ここからは、縫い目や折り目について説明していきます。
長着にある緑の線がおくみ線です。おくみ線とは、上前(うわまえ)とおくみの部分を縫い合わせた境目の線のことです。体の真ん中ではなく、右足付近にある方が良いと言われています。
人によっては親指と人差し指の間、または小指付近という方もおり参考程度に理解しておくとよいでしょう。
背中心は背中にある縫い目のことです。
実際に着用している写真を見ると上半身のみまっすぐになっており、帯より下は人によっては赤い線のようにずれることがありますが、イラストではまっすぐ下に下ろした方が違和感はないでしょう。
脇線についても、人によっては前にきたり後ろにきたりしますが、身体の真横に引いてもよいでしょう。
袖付け線は、下のイラストの緑色の線になり。身体の真ん中から袖口までのちょうど半分の位置にあります。
浴衣にできる主なシワ
下のイラストは、浴衣にできる主なシワは示したものです。
基本的に浴衣は生地が薄いので、シワの寄り方も多少細かく描くことで「らしさ」が増してきます。
浴衣に合う小物と衿あわせ
最後に、浴衣に似合う小物と衿あわせについて紹介していきます。
浴衣に合う小物
最初は帽子です。麦わら帽子やカンカン帽、フラッパースタイルなど、キャラクターに合わせて被らせあげると良いでしょう。
浴衣姿と言えば夏まつりのイメージもあるので、扇子やうちわも似合います。
うちわは帯と背中の間に指すのが一般的で、扇子は身体の前側に挿します。
次はかんざしです。髪を巻いてあげるものや、髪に挿すものなど様々な種類があります。イラスト的には造花を付けても華やかに見えます。
続けて、バッグです。浴衣には籠(かご)バッグや籠巾着(かごきんちゃく)が似合いますが、必ずこういったバッグを持つべきというルールが決まっている訳ではありません。涼しげなバッグを持たせるとより浴衣らしさが表現できるという参考です。
最後に、飾り紐(かざりひも)と帯締めです。帯留めは着物用・浴衣用と区別はありませんので、キャラクターに合うものを付けましょう。
下のイラストのように、裏が金具になっていて紐を通すもの、とんぼ玉のように穴が空いていて紐を通すものなどの種類があります。
衿あわせ
人によって様々な着方・楽しみ方・描き方がある浴衣ですが、一つだけルールがあります。
それは「衿(えり)合わせ」です。浴衣姿を含む着物全般では、かならず自分から見て右が手前、左がその上、という着方をします。これ「右前(みぎまえ)」と言います。
覚え方としては、向いあわせで見た場合、英語の「y」の文字になっている、右手が懐に入る、という覚え方をします。
まとめ
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宗像久嗣
本業の傍ら、萌えとは程遠いイラストを細々と描きつづけております。グラフィックデザインや3Dにも手を付けつつ写真が趣味。イラストは女性ファッションがテーマですが、レトロや近代建築などが大好物。リアルでも着物好きです。