pen-iconpen-iconクリスタのアニメーション機能の使い方講座

この講座はクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)のアニメーション機能使い方を解説する講座です。デジタルでアニメを作りたい方、自分の絵を動かしてみたいという方にオススメの講座になっています。
初めてクリップスタジオでアニメ制作をする方を対象とした内容なので、基本からしっかり学ぶことができます!



クリップスタジオペイントのアニメ機能を解説!

アニメ作りでクリスタがカバーしている工程

まず初めに、アニメーションの制作工程とクリスタがカバーしている範囲を確認していきましょう。アニメーションで作画を行う工程は、主にこのようになっています。
・絵コンテ
・レイアウト
・原画
・動画
・動画検査
・仕上げ

CLIP STUDIO PAINTでは、その工程のほぼ全てをカバーすることができます。

アニメの工程とCLIP STUDIO PAINTのカバー範囲

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クリスタでのアニメ制作 準備編

それでは早速本編に入っていきましょう。まずは「準備編」ということで用紙を設定するところから解説を行っていきます。記事で分かりづらい点はぜひ動画もご覧くださいね!(*この動画は音声なしになっておりますので、その点ご注意ください)

アニメ制作の準備編

CLIPの画面から用紙テンプレートを作成していきましょう。

クリスタで用紙テンプレートを作成する

「作品の用途」から「アニメーション」を選択します。小さく表示されたメニューで赤い動画マークのボタンです。

「作品の用途」から「アニメーション」を選択

ファイル名を記入後、「基準サイズ」を入力していきます。基準サイズはレイアウト用紙の標準フレームにあたります。使用しているレイアウト用紙から数値を割り出し、入力します。

基準サイズはレイアウト用紙の標準フレーム

「演出フレーム」は安全フレームにあたる項目です。その下にある「作画サイズ」も念のために確認をしておきましょう。

「演出フレーム」は安全フレームにあたる

さらにその下にある「余白」もレイアウト用紙の余白を参考に記入します。

レイアウト用紙の余白を参考に記入

「作品名」を記入し、タイムラインはコンテを参考に設定します。

タイムラインをコンテを参考に設定

右上にあるOKをクリック紙、アニメーション用のキャンバスが作成されました。続いて、レイヤーパレットの構成も設定しましょう。

アニメーション用のキャンバスを作成

「ファイル」→「読み込み」からレイアウト用紙のスキャン画像を読み込みます。

「ファイル」→「読み込み」を選択

レイアウト用紙がスキャンできました。

レイアウト用紙のスキャンが完了

これで用紙が準備できました。続いて「レイヤー」内にラフ原画フォルダを作成します。

「レイヤー」内にラフ原画フォルダを作成

次にセルとなるレイヤーを作成します。まずは1つ作成します。

セルとなるレイヤーを1つ作成

セルとなるレイヤーを続けて複数枚作成していきます。

セルとなるレイヤーを複数作成

パレットに色をつけ、必要なレイヤーを見つけやすくします。

パレットに色をつける

これらの設定が終わったら、テンプレート素材として保存します。保存しておくことで、次のカットにうつる時に便利です。

テンプレート素材として保存する

クリスタでのアニメ制作 レイアウト

次にレイアウトの工程に移ります。

レイアウトの工程に移行

そもそも、アニメ制作においてレイアウトというのは、ラフの画面構成として原画を作成することをいいます。また、ラフな原画作業も含まれることもあります。

レイアウトとはラフの画面構成として原画を作成すること

この講座では、このコンテのカット14の原図を作成します。

コンテのカットを原図する

「ファイル」から先ほど登録したテンプレートを開きます。メニューが表示されるので右下の「テンプレート」をクリックします。

登録したテンプレートを開く

画面が立ち上がるので、登録したテンプレートを選択します。

登録したテンプレートを選択

ここで、先ほども出てきたフォルダの構成イメージを確認しておきましょう。
・フォルダ(親):ラフ原画、原画など工程別に管理するもの
・アニメーションフォルダー:せるを管理するフォルダー
・レイヤーフォルダー(セル):一枚のセルとして扱える。線画と色彩でレイヤーを分けたい場合などに使用
・レイヤー:色鉛筆と影指定でレイヤーを分けています

アニメーションのフォルダ構成イメージ

原図レイヤーを作成します。

原図レイヤーを作成する

まずは背景のアタリをとります。アタリのレイヤーは透明度を下げておきます。

透明度を下げ背景のアタリをとる

新しいレイヤーを作成し、アタリに合わせてパース定規を設定します。パース定規を使うことでデスクトップで簡単にパース線を引くことができます。最上部のメニュー「レイヤー」→「定規・コマ」→「パース定規の作成」を選択します。
パース定規自体の使い方は動画の6:45あたりから始まりますので、ぜひ確認してみてくださいね!

アタリに合わせてパース定規を設定

次に新規作成したレイヤーに絵を描いていきます。パースに沿って、定規を使っているように線を引くことができるはずです。
原図が完成したら、ペンの色を選択して人物のラフ原画を描いていきます。

ラフ原画を描く

覚えておくと便利な様々な機能がクリスタには搭載されています。例えば「投げなわ選択」で指定したい範囲を囲むと「選択範囲ランチャー」が出現します。「拡大・縮小・回転」をクリックして選択しると、選択した箇所を動かせるようになります。

選択範囲ランチャーの使い方

その他にも「左右反転」や「ズームイン」など、よく使うコマンドはショートカットを登録しておくことができます。動画31:00からの参考をぜひご覧ください。(チャプターを使用して選択することもできます)

左右反転やズームインのショートカット

人物を描き進めていきます。

アニメーションの人物を描く

色鉛筆と同じように色を塗っていきます。

色鉛筆で色を塗る

A-1のセルが完成です。セルごとにフォルダに番号を振って管理していくと、レイヤーをわかりやすい状態にしておけるのでオススメです。
続いて、タイムラインを右クリックしてA-2を設定します。

アニメのセルが完成

A-2のセルを書くために、参考としてA-1をライトテーブルパレットに置き、透明度を下げて透かしにしておきます。

ライトテーブルパレットを使う

白紙のレイヤーをコピーして描画用のレイヤーを作成し、描いていきます。以降はこの繰り返しになります。完成したラフ原画をタイムラインのコマに指定すると簡単にプレビューを見ることができます!これで動きの確認もバッチリです。
ドラッグ&ドロップでタイミングの調整も簡単です。

アニメーションをプレビューする

調整後、中割りの指示を行います。ツール「中割り指示」を右ドラッグしながら3フレーム分を選択しAlt + Enterを押します。最後に、タイムシートを作成します。

中割り指示を行う

「ファイル」→「読み込み」からデータ化したタイムシートを取り込みます。

データ化したタイムシートの取り込み

取り込んだら、見やすいようにタイムシートのレイヤーをレイヤーの最上部に持っていきます。また、向きが合っていない場合は回転させましょう。

タイムシートを回転させる

タイムシートを記入する。

タイムシートを記入する

タイムラインを参考にセルの配置とタイミングを指定します。また、カットの尺やカメラワーク、特殊効果の指示も書き込みます。

タイムラインを参考にセルの配置とタイミングを指定

レイアウト ラフ原画の完成です!

レイアウト ラフ原画の完成

演出・作画監督によるチェック

次は、各工程で発生する、演出さんや作画監督さんによるチェックの操作方法を紹介していきます。

演出・作画監督によるチェック

レイアウト、ラフ原画は、演出のチェックと作画監督のチェックを受けます。

レイアウトラフ原のチェック

一般的にレイアウトラフ原画に対して、チェックを受けます。

レイアウトラフ原画にチェックを受ける

演出さんのチェック用アニメーションフォルダをセルを作成します。

演出チェック用のアニメーションフォルダとセルを作成

チェックする方は修正レイヤーを作成し、修正の指示を書き込みます。作画監督の場合も、チェック用のレイヤーを作成して指示を書き込みます。

修正レイヤーに修正指示を書く

アニメーション用の原画を作成する

続いて、原画のパートに移ります。

アニメの原画制作パート

原画では、演出さん・作画監督さんのチェックを反映させ、レイアウトラフ原画を清書していきます。

レイアウトラフ原画を清書する

早速作業に取り掛かっていきましょう。まずは原画用のフォルダーを作成します。

原画用のフォルダーの作成

ドラッグ&ドロップでテンプレートをレイヤーパレットに登録します。

テンプレートをレイヤーパレットに登録

レイヤーフォルダーを必要分コピーしましょう。

レイヤーフォルダーを必要分コピーする

作成したレイヤーフォルダをタイムラインに設定します。その後、ライトテーブルにラフ原画と作画監督さんの修正を登録し、清書を行っていきます。

作画監督さんの修正を登録

清書していきます。利き手が書きづらいカーブは左右反転して描いていきましょう。

原稿を清書する

どんどん書き込んでいきます。

書き込む

影指定は「塗りつぶしツール」で行います。塗りつぶしツールにはわずかな隙間を隙間と判断しない「隙間綴じ機能」があるため、色がもれず便利です!隣接する範囲もドラッグしたまま塗ることができます。

隙間綴じ機能で塗る

クリスタでのアニメ制作 動画パート

いよいよ動画のパートに入っていきます。ここでは原画のクリンナップと中割りを行っていきます。

原画のクリンナップと中割り

原画データを受け取った動画マンは、まず動画用のタイムシートを作成します。

動画マンは動画用タイムシートを作成

タイムシートに書き込んでいきます。

タイムシートに書き込む

動画用のタイムシートを作成することで必要なセルの枚数も把握することができます。

必要なセルの枚数を把握

テンプレートをドラッグ&ドロップし、動画用のレイヤーフォルダを作成します。

動画用のレイヤーフォルダを作成

このカットの動画枚数は12枚なので、レイヤー(セル)を12レイヤー作成します。

動画枚数に応じてレイヤーを作成

動画のセルレイヤーをタイムラインに指定していきます。

動画のセルレイヤーをタイムラインに指定

クリンナップを行うため、タイムシートを非表示にします。

クリンナップを行う

原画A-1をアニメーションセルパレット内の「セル固有のライトテーブル」に登録します。

セル固有のライトテーブルに登録

透明度を下げて透かしのようにし、レイヤー(セル)に描いていきます。「サブツール」の「曲線」を使えば、滑らかな曲線が描けます。

サブツールの「曲線」を使用

書き込みを行っていき、原画のクリンナップが完成しました!

原画のクリンナップが完成

全て完成しました。

クリンナップ全て完成

次に中割りを行っていきます。

中割りを行う

ライトテーブルパレットに原画の一枚目と二枚目を登録し、それぞれの透明度を下げて透かして見ると、その間も簡単に把握することができます。

ライトテーブルパレットに原画を登録

このようなイメージです。

透明度を下げる

続いて、中割りのあたりを取り、作画します。

中割りのあたりを取り作画する

ここでは、Altキー + 数字でライトテーブルのレイヤーを表示するようにショートカットを設定します。(動画最後の「参考」でもご確認いただけます。)

ライトテーブルのレイヤーを表示

ショートカットキー「Alt + 1」「Alt + 2」「Alt + 3」で指パラもできます。

アニメの指パラもできる

最後に影の指定を行います。影指定は、影指定レイヤーに行います。塗りつぶしツールを選択し、色を選び、仕上げていきます。

影指定を行う

クリスタでのアニメ制作 動画検査パート

いよいよ、クリップスタジオペイントがカバーする最終工程「動画検査」に入っていきます。

最終工程「動画検査」

動画検査では、動画の品質をチェックしていきます。線や中割りの品質や、指示に対しての作業ミスはないかなど、細かくチェックを行っていきます。

動画の品質チェックを行う

フォルダ内にあるのは動画マンによって作成された動画データです。

動画マンによって作成された動画データ

まずはモーションのチェックを行います。

モーションのチェックを行う

次に、タイムシートの指示通りかをチェックします。

タイムシートの指示通りかをチェック

動きは問題ないのですが、耳が描かれていないことに気づきました。

耳が描かれていなかった

前後のセルの透明度を下げ、修正レイヤーを作成して修正を行っていきます。

修正レイヤーを作成して修正を行う

書き忘れがあった「耳」が描かれました。

耳が描かれる

これで検査が完了です!

アニメの検査が完了

検査済みのデータと、検査前のデータがわかるよう、ファイル名を変更して保存します。ここでは、データの末尾に「d」と記入し、動画マンに戻します。

ファイル名を変更

その後、動画マンは動画検査より戻されたデータを修正し、仕上げに渡します。

動画マンにて修正する

動画マンは「ファイル」→「アニメーション書き出し」→「アニメーションセル出力」を選択しデータを書き出します。この時、「PaintMan 向け出力」にチェックを入れて書き出しましょう。また、タイムシートなど必要なデータも書き出します。

データの書き出し

アニメーション制作 PaintManでの仕上げ

PaintManでアニメーションを仕上げていきます。

 PaintManでアニメーション仕上げ

CLIP STUDIO PAINTならPaintManとの連携も問題ありません。

 CLIP STUDIO PAINTとPaintManの連携

書き出されたデータはそのまま読み込むことができます。レイヤーの情報もしっかり分かれています。

Paint Manでもレイヤーは残る

クリスタでのアニメ制作の参考

ここでは本編で触れな買ったショートカットの設定や、インターフェースの設定などについて解説していきます。記事では簡単に触れていく程度にしていますので、ご興味のある方は動画をチェックしてみてくださいね!

アニメ製作時の参考

まず1つ目はインターフェースの設定です。インターフェースは操作画面のことです。

クリスタのインターフェースの設定

操作画面に出しておくと便利なパネルを紹介しています。

アニメーションで必要なパネル紹介

作成したインターフェースはワークスペースとして保存しておくことができます。タイムラインやツール、サブツールなど、様々なパネルを紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね!

インターフェースをワークスペースとして保存

よく行う操作はショートカットとして設定しておくことをオススメします。

クリスタのショートカット設定

アニメーションを確認する「指パラ」機能はぜひ設定してみてください。

「指パラ」機能の設定

まずは「ファイル」→「ショートカット設定」を選択します。

「ファイル」→「ショートカット設定」

装飾キー(shiftやCtrl、Altなど)と数字の組み合わせを登録します。本編ではAltが選択されていましたね。

装飾キーと数字を組み合わせる

以上でCLIP STUDIO PAINTのアニメーション機能の使い方講座は終了です。かなりボリュームのある内容ですが、デジタルでアニメを作り始める方が知っておいて損がない内容が纏まっていますので、ぜひブクマなどして復習しながら身につけて下さいね!

また、パルミーの月謝制会員は、今回の記事のようなアニメーション制作でも役に立つ、構図の考え方を学べる講座等も視聴できます。

アニメーターが教えるカンタン構図講座【初級編】

例えばこちらの「アニメーターが教えるカンタン構図講座【初級編】」では、スタジオジブリや東映アニメーションを経てフリーランスとして活躍するアニメーター斉藤拓也先生による解説で、構図の考え方の基本を学ぶことができます。初心者向けの講座となっているので、苦手意識のある方にもオススメ!
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初めてクリップスタジオでアニメ制作をする方を対象とした内容なので、基本からしっかり学ぶことができます!



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まず初めに、アニメーションの制作工程とクリスタがカバーしている範囲を確認していきましょう。アニメーションで作画を行う工程は、主にこのようになっています。
・絵コンテ
・レイアウト
・原画
・動画
・動画検査
・仕上げ

CLIP STUDIO PAINTでは、その工程のほぼ全てをカバーすることができます。

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クリスタでのアニメ制作 準備編

それでは早速本編に入っていきましょう。まずは「準備編」ということで用紙を設定するところから解説を行っていきます。記事で分かりづらい点はぜひ動画もご覧くださいね!(*この動画は音声なしになっておりますので、その点ご注意ください)

アニメ制作の準備編

CLIPの画面から用紙テンプレートを作成していきましょう。

クリスタで用紙テンプレートを作成する

「作品の用途」から「アニメーション」を選択します。小さく表示されたメニューで赤い動画マークのボタンです。

「作品の用途」から「アニメーション」を選択

ファイル名を記入後、「基準サイズ」を入力していきます。基準サイズはレイアウト用紙の標準フレームにあたります。使用しているレイアウト用紙から数値を割り出し、入力します。

基準サイズはレイアウト用紙の標準フレーム

「演出フレーム」は安全フレームにあたる項目です。その下にある「作画サイズ」も念のために確認をしておきましょう。

「演出フレーム」は安全フレームにあたる

さらにその下にある「余白」もレイアウト用紙の余白を参考に記入します。

レイアウト用紙の余白を参考に記入

「作品名」を記入し、タイムラインはコンテを参考に設定します。

タイムラインをコンテを参考に設定

右上にあるOKをクリック紙、アニメーション用のキャンバスが作成されました。続いて、レイヤーパレットの構成も設定しましょう。

アニメーション用のキャンバスを作成

「ファイル」→「読み込み」からレイアウト用紙のスキャン画像を読み込みます。

「ファイル」→「読み込み」を選択

レイアウト用紙がスキャンできました。

レイアウト用紙のスキャンが完了

これで用紙が準備できました。続いて「レイヤー」内にラフ原画フォルダを作成します。

「レイヤー」内にラフ原画フォルダを作成

次にセルとなるレイヤーを作成します。まずは1つ作成します。

セルとなるレイヤーを1つ作成

セルとなるレイヤーを続けて複数枚作成していきます。

セルとなるレイヤーを複数作成

パレットに色をつけ、必要なレイヤーを見つけやすくします。

パレットに色をつける

これらの設定が終わったら、テンプレート素材として保存します。保存しておくことで、次のカットにうつる時に便利です。

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クリスタでのアニメ制作 レイアウト

次にレイアウトの工程に移ります。

レイアウトの工程に移行

そもそも、アニメ制作においてレイアウトというのは、ラフの画面構成として原画を作成することをいいます。また、ラフな原画作業も含まれることもあります。

レイアウトとはラフの画面構成として原画を作成すること

この講座では、このコンテのカット14の原図を作成します。

コンテのカットを原図する

「ファイル」から先ほど登録したテンプレートを開きます。メニューが表示されるので右下の「テンプレート」をクリックします。

登録したテンプレートを開く

画面が立ち上がるので、登録したテンプレートを選択します。

登録したテンプレートを選択

ここで、先ほども出てきたフォルダの構成イメージを確認しておきましょう。
・フォルダ(親):ラフ原画、原画など工程別に管理するもの
・アニメーションフォルダー:せるを管理するフォルダー
・レイヤーフォルダー(セル):一枚のセルとして扱える。線画と色彩でレイヤーを分けたい場合などに使用
・レイヤー:色鉛筆と影指定でレイヤーを分けています

アニメーションのフォルダ構成イメージ

原図レイヤーを作成します。

原図レイヤーを作成する

まずは背景のアタリをとります。アタリのレイヤーは透明度を下げておきます。

透明度を下げ背景のアタリをとる

新しいレイヤーを作成し、アタリに合わせてパース定規を設定します。パース定規を使うことでデスクトップで簡単にパース線を引くことができます。最上部のメニュー「レイヤー」→「定規・コマ」→「パース定規の作成」を選択します。
パース定規自体の使い方は動画の6:45あたりから始まりますので、ぜひ確認してみてくださいね!

アタリに合わせてパース定規を設定

次に新規作成したレイヤーに絵を描いていきます。パースに沿って、定規を使っているように線を引くことができるはずです。
原図が完成したら、ペンの色を選択して人物のラフ原画を描いていきます。

ラフ原画を描く

覚えておくと便利な様々な機能がクリスタには搭載されています。例えば「投げなわ選択」で指定したい範囲を囲むと「選択範囲ランチャー」が出現します。「拡大・縮小・回転」をクリックして選択しると、選択した箇所を動かせるようになります。

選択範囲ランチャーの使い方

その他にも「左右反転」や「ズームイン」など、よく使うコマンドはショートカットを登録しておくことができます。動画31:00からの参考をぜひご覧ください。(チャプターを使用して選択することもできます)

左右反転やズームインのショートカット

人物を描き進めていきます。

アニメーションの人物を描く

色鉛筆と同じように色を塗っていきます。

色鉛筆で色を塗る

A-1のセルが完成です。セルごとにフォルダに番号を振って管理していくと、レイヤーをわかりやすい状態にしておけるのでオススメです。
続いて、タイムラインを右クリックしてA-2を設定します。

アニメのセルが完成

A-2のセルを書くために、参考としてA-1をライトテーブルパレットに置き、透明度を下げて透かしにしておきます。

ライトテーブルパレットを使う

白紙のレイヤーをコピーして描画用のレイヤーを作成し、描いていきます。以降はこの繰り返しになります。完成したラフ原画をタイムラインのコマに指定すると簡単にプレビューを見ることができます!これで動きの確認もバッチリです。
ドラッグ&ドロップでタイミングの調整も簡単です。

アニメーションをプレビューする

調整後、中割りの指示を行います。ツール「中割り指示」を右ドラッグしながら3フレーム分を選択しAlt + Enterを押します。最後に、タイムシートを作成します。

中割り指示を行う

「ファイル」→「読み込み」からデータ化したタイムシートを取り込みます。

データ化したタイムシートの取り込み

取り込んだら、見やすいようにタイムシートのレイヤーをレイヤーの最上部に持っていきます。また、向きが合っていない場合は回転させましょう。

タイムシートを回転させる

タイムシートを記入する。

タイムシートを記入する

タイムラインを参考にセルの配置とタイミングを指定します。また、カットの尺やカメラワーク、特殊効果の指示も書き込みます。

タイムラインを参考にセルの配置とタイミングを指定

レイアウト ラフ原画の完成です!

レイアウト ラフ原画の完成

演出・作画監督によるチェック

次は、各工程で発生する、演出さんや作画監督さんによるチェックの操作方法を紹介していきます。

演出・作画監督によるチェック

レイアウト、ラフ原画は、演出のチェックと作画監督のチェックを受けます。

レイアウトラフ原のチェック

一般的にレイアウトラフ原画に対して、チェックを受けます。

レイアウトラフ原画にチェックを受ける

演出さんのチェック用アニメーションフォルダをセルを作成します。

演出チェック用のアニメーションフォルダとセルを作成

チェックする方は修正レイヤーを作成し、修正の指示を書き込みます。作画監督の場合も、チェック用のレイヤーを作成して指示を書き込みます。

修正レイヤーに修正指示を書く

アニメーション用の原画を作成する

続いて、原画のパートに移ります。

アニメの原画制作パート

原画では、演出さん・作画監督さんのチェックを反映させ、レイアウトラフ原画を清書していきます。

レイアウトラフ原画を清書する

早速作業に取り掛かっていきましょう。まずは原画用のフォルダーを作成します。

原画用のフォルダーの作成

ドラッグ&ドロップでテンプレートをレイヤーパレットに登録します。

テンプレートをレイヤーパレットに登録

レイヤーフォルダーを必要分コピーしましょう。

レイヤーフォルダーを必要分コピーする

作成したレイヤーフォルダをタイムラインに設定します。その後、ライトテーブルにラフ原画と作画監督さんの修正を登録し、清書を行っていきます。

作画監督さんの修正を登録

清書していきます。利き手が書きづらいカーブは左右反転して描いていきましょう。

原稿を清書する

どんどん書き込んでいきます。

書き込む

影指定は「塗りつぶしツール」で行います。塗りつぶしツールにはわずかな隙間を隙間と判断しない「隙間綴じ機能」があるため、色がもれず便利です!隣接する範囲もドラッグしたまま塗ることができます。

隙間綴じ機能で塗る

クリスタでのアニメ制作 動画パート

いよいよ動画のパートに入っていきます。ここでは原画のクリンナップと中割りを行っていきます。

原画のクリンナップと中割り

原画データを受け取った動画マンは、まず動画用のタイムシートを作成します。

動画マンは動画用タイムシートを作成

タイムシートに書き込んでいきます。

タイムシートに書き込む

動画用のタイムシートを作成することで必要なセルの枚数も把握することができます。

必要なセルの枚数を把握

テンプレートをドラッグ&ドロップし、動画用のレイヤーフォルダを作成します。

動画用のレイヤーフォルダを作成

このカットの動画枚数は12枚なので、レイヤー(セル)を12レイヤー作成します。

動画枚数に応じてレイヤーを作成

動画のセルレイヤーをタイムラインに指定していきます。

動画のセルレイヤーをタイムラインに指定

クリンナップを行うため、タイムシートを非表示にします。

クリンナップを行う

原画A-1をアニメーションセルパレット内の「セル固有のライトテーブル」に登録します。

セル固有のライトテーブルに登録

透明度を下げて透かしのようにし、レイヤー(セル)に描いていきます。「サブツール」の「曲線」を使えば、滑らかな曲線が描けます。

サブツールの「曲線」を使用

書き込みを行っていき、原画のクリンナップが完成しました!

原画のクリンナップが完成

全て完成しました。

クリンナップ全て完成

次に中割りを行っていきます。

中割りを行う

ライトテーブルパレットに原画の一枚目と二枚目を登録し、それぞれの透明度を下げて透かして見ると、その間も簡単に把握することができます。

ライトテーブルパレットに原画を登録

このようなイメージです。

透明度を下げる

続いて、中割りのあたりを取り、作画します。

中割りのあたりを取り作画する

ここでは、Altキー + 数字でライトテーブルのレイヤーを表示するようにショートカットを設定します。(動画最後の「参考」でもご確認いただけます。)

ライトテーブルのレイヤーを表示

ショートカットキー「Alt + 1」「Alt + 2」「Alt + 3」で指パラもできます。

アニメの指パラもできる

最後に影の指定を行います。影指定は、影指定レイヤーに行います。塗りつぶしツールを選択し、色を選び、仕上げていきます。

影指定を行う

クリスタでのアニメ制作 動画検査パート

いよいよ、クリップスタジオペイントがカバーする最終工程「動画検査」に入っていきます。

最終工程「動画検査」

動画検査では、動画の品質をチェックしていきます。線や中割りの品質や、指示に対しての作業ミスはないかなど、細かくチェックを行っていきます。

動画の品質チェックを行う

フォルダ内にあるのは動画マンによって作成された動画データです。

動画マンによって作成された動画データ

まずはモーションのチェックを行います。

モーションのチェックを行う

次に、タイムシートの指示通りかをチェックします。

タイムシートの指示通りかをチェック

動きは問題ないのですが、耳が描かれていないことに気づきました。

耳が描かれていなかった

前後のセルの透明度を下げ、修正レイヤーを作成して修正を行っていきます。

修正レイヤーを作成して修正を行う

書き忘れがあった「耳」が描かれました。

耳が描かれる

これで検査が完了です!

アニメの検査が完了

検査済みのデータと、検査前のデータがわかるよう、ファイル名を変更して保存します。ここでは、データの末尾に「d」と記入し、動画マンに戻します。

ファイル名を変更

その後、動画マンは動画検査より戻されたデータを修正し、仕上げに渡します。

動画マンにて修正する

動画マンは「ファイル」→「アニメーション書き出し」→「アニメーションセル出力」を選択しデータを書き出します。この時、「PaintMan 向け出力」にチェックを入れて書き出しましょう。また、タイムシートなど必要なデータも書き出します。

データの書き出し

アニメーション制作 PaintManでの仕上げ

PaintManでアニメーションを仕上げていきます。

 PaintManでアニメーション仕上げ

CLIP STUDIO PAINTならPaintManとの連携も問題ありません。

 CLIP STUDIO PAINTとPaintManの連携

書き出されたデータはそのまま読み込むことができます。レイヤーの情報もしっかり分かれています。

Paint Manでもレイヤーは残る

クリスタでのアニメ制作の参考

ここでは本編で触れな買ったショートカットの設定や、インターフェースの設定などについて解説していきます。記事では簡単に触れていく程度にしていますので、ご興味のある方は動画をチェックしてみてくださいね!

アニメ製作時の参考

まず1つ目はインターフェースの設定です。インターフェースは操作画面のことです。

クリスタのインターフェースの設定

操作画面に出しておくと便利なパネルを紹介しています。

アニメーションで必要なパネル紹介

作成したインターフェースはワークスペースとして保存しておくことができます。タイムラインやツール、サブツールなど、様々なパネルを紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね!

インターフェースをワークスペースとして保存

よく行う操作はショートカットとして設定しておくことをオススメします。

クリスタのショートカット設定

アニメーションを確認する「指パラ」機能はぜひ設定してみてください。

「指パラ」機能の設定

まずは「ファイル」→「ショートカット設定」を選択します。

「ファイル」→「ショートカット設定」

装飾キー(shiftやCtrl、Altなど)と数字の組み合わせを登録します。本編ではAltが選択されていましたね。

装飾キーと数字を組み合わせる

以上でCLIP STUDIO PAINTのアニメーション機能の使い方講座は終了です。かなりボリュームのある内容ですが、デジタルでアニメを作り始める方が知っておいて損がない内容が纏まっていますので、ぜひブクマなどして復習しながら身につけて下さいね!

また、パルミーの月謝制会員は、今回の記事のようなアニメーション制作でも役に立つ、構図の考え方を学べる講座等も視聴できます。

アニメーターが教えるカンタン構図講座【初級編】

例えばこちらの「アニメーターが教えるカンタン構図講座【初級編】」では、スタジオジブリや東映アニメーションを経てフリーランスとして活躍するアニメーター斉藤拓也先生による解説で、構図の考え方の基本を学ぶことができます。初心者向けの講座となっているので、苦手意識のある方にもオススメ!
フレーム、ものの配置、視線誘導を学び、思い通りの内容を伝えられる構図を作れるようになりましょう!

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