雪の描き方をイラスト解説。冬をテーマにした絵の表現方法
冬をテーマにしたイラストでは、雪景色を描くことも多いと思います。
地面に積もっている雪や遠景の雪は、どのように描けばよいのでしょうか?
今回は、パルミー月謝制講座「キャライラスト背景講座 【雪背景編】」より、内容を一部抜粋してご紹介します。
雪の基礎知識や雪の描き方の手順を解説しています。
雪の基礎知識
雪景色のイラストでは、シチュエーションに応じて様々なバリエーションの雪を描きます。
まずは、雪の種類から覚えてみましょう。
①雪の種類
雪の種類は、大きく分けて「積雪」と「降雪」があります。
積雪は、地面などに積もっている雪のことです。
降雪は、空から降ってくる雪のことを指します。
3種類の積雪
新雪
降って間もない雪で、結晶の形を残しています。
さらさらして柔らかい特徴があります。
こしまり雪
降り積もって数日が経過した雪です。
雪の結晶が残っておらず、やや固くなっています。
ざらめ雪
雪が溶けたことにより、水分を多く含んでいます。
氷の粒や雪同士が再凍結しています。
3種類の降雪
粉雪
寒いときに降る細かい雪で、粉のようにさらさらしているのが特徴です。
灰雪
やや厚みがあり、灰のようにひらひらと舞いながら降る雪です。
べた雪
雪の結晶がくっついており、粒が大きめの雪です。
ぼたん雪とも呼ばれています。
②雪の演出
積雪と降雪の作例イラストです。
場面に応じて、雪の表現を使い分けてみましょう。
新雪+粉雪
雪が降り始めたばかりのシーンです。
細かい粒上の粉雪のため、地面にも粒感があります。
こしまり雪+灰雪
数日経って固くなった積雪と、ひらひら降り続ける灰雪を描いています。
ざらめ雪+べた雪
ざらめ雪が溶けかけてシャーベット状になった道路と、大きめのべた雪を描いています。
③距離ごとの雪の表現
雪の表現を、近景・中景・遠景の3種類に分けて紹介しています。
近景の表現
キャラクターの吐息
寒い場所で、吐く息が白くなる表現です。
温度感を伝えることができます。
キャラクターへの積雪
頭や肩などに雪が乗っている表現です。
雪景色に馴染ませることができ、画面も少しリッチになります。
雪との接地面
靴などが雪に埋まっている表現です。
雪の柔らかさも伝えることができます。
中景の表現
積雪・雪の足跡
地面や建造物の積雪の表現です。
画面に対する雪の面積が大きくなりやすく、どれくらい積もっているのか、どんな気候なのかをコントロールできます。
木の枝
冬の木々は葉を落としているので、地味な印象になりがちです。
そこで、葉っぱの代わりに雪が乗っている表現を加えることで、リッチな印象が出せます。
遠景の表現
遠景が白く飛ぶ
降雪量が多いと遠くが白く飛んでしまい、はっきり見えなくなります。
山や木々
遠景の山や木々にも積雪を描き加えます。
標高の高い山頂に向かうほど、雪が溶けずに残っています。
④降雪の表現
3段階で表現する
降雪を大(近景)・中(中景)・小(遠景)と大きさを描き分けることで、奥行きの感じられる背景になります。
ぼかし・移動ぼかし
降雪をぼかすことで、降雪同士の遠近感を強調できます。
また、降雪に移動ぼかしをかけることで、風の強さを表現できます。
雪の描き方の実演
ペイントソフトのクリスタを使って、雪のイラストを仕上げていきます。
①ラフの工程で雪の配置を決める
イラストのラフ
イラストのラフを載せています。
ラフの上に新規レイヤーを作成して、雪を画面内のどこに配置するのかを決めていきましょう。
ラフの段階で全体像を計画しておくことで、完成イメージとのズレを減らせます。
ラフに雪を配置する
「オイルパステル」のブラシを使って、ざっくりと雪を塗ります。
近景の地面や柵、遠景の建物の屋根などに雪を置いています。
「オイルパステル」のダウンロード画面
キャラクターが歩いてきた、というシチュエーションを伝えるために、人物の足跡を描きます。
透明色を選択して、雪を消しながら足跡の形を作っています。
降雪を描くときは、[デコレーション]→[カケアミ]からトーン削り用のブラシを使います。
粒子サイズや粒子密度を調整して、パラパラと降っている雪を描きます。
ラフの工程では、雪を丁寧に描き込む必要はありません。
完成形の雪景色のイメージを固めることを目的に、ざっくりと雪を配置してみてください。
ラフの雪景色を元にして、本塗りをする
雪を追加する前のイラストを載せています。
先ほど作成したラフの雪の配置に沿って、雪景色の背景を仕上げていきましょう。
ラフでは、雪が降って喜んでいるようなシチュエーションでした。
キャラクターのポーズを変更して、待ち合わせしているシチュエーションに変更しています。
②遠景の雪を塗る
山の雪を塗る
[描き足し・かすれタッチブラシ]を使って山の雪を塗ります。
遠景の雪の粒感が表現しやすいブラシです。
「描き足し・かすれタッチブラシ」のダウンロード画面
雪を塗る際には、写真を参考にして積もり方などを確認しましょう。
ブラシのタッチを意識しながら塗る
雪が残りやすい山頂付近に多めに雪を描き、山の麓は雪を少なめに描きます。
雪の量に応じて、筆圧をコントロールしながら塗っていきましょう。
塗りすぎてしまった箇所は消しゴムで消すのではなく、透明色を選択して塗ります。
透明色を使うことで、ブラシのタッチを保ったまま色が消せます。
③中景の雪を塗る
植物の雪を塗る
中景の植物の雪は、[にじみ縁水彩]を使います。
クリスタに[にじみ縁水彩]が入っていない場合は、CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードしてみてください。
「ペン・ブラシ_Ver.1.10.9」のダウンロード画面
何回もブラシを重ねて、雪が多い部分と少ない部分を塗っていきます。
植物の上の方は雪が積もりやすいので、雪を多めに描きましょう。
遠近感を意識して雪を塗る
葉っぱのシルエット状に積もっている雪も混ぜて、アクセントを出します。
植物をブロック単位で考えて、隣の植物との境目は雪を薄く塗ります。
植物の塊が4つ~5つ並んでいるように見せて、奥行きを出しています。
植物の真下は雪が積もりづらいので、少し離れた位置に雪を積もらせています。
青味のある影を乗せる
水路の手前側の植物も雪を積もらせます。
雪を塗り終えたら、新規レイヤーをクリッピングして、影を入れます。
影になっている植物の下部の辺りに、エアブラシで薄い水色を乗せています。
④近景の雪を塗る
地面の雪を塗る
新雪とこしまり雪の中間ぐらいの、柔らかめの雪を想定しています。
[オイルパステル]を使って地面に雪を置いていきましょう。
画面に対して縦方向に雪を塗ると、遠近感が出づらくなってしまいます。
横方向にブラシを動かして地面の雪を塗ります。
雪の積もり方にメリハリをつける
柵の影になっている箇所は日が当たらず、雪が多く残っています。
柵付近の雪は多めに描き、高低差をつけています。
キャラクターの足跡を描く
[オイルパステル]で透明色を選択して、足跡の形に雪を削っていきましょう。
キャラクターの足のサイズと大きさを合わせて、足跡を描きます。
新規レイヤーを作って、削った足跡の上に新たに雪を乗せてみるのもオススメです。
雪が少し残っている感じを簡単に出せます。
また、足跡の側面を青味がかった灰色で塗り、足跡に厚みを出しています。
雪を塗り込む
動物の足跡も加えています。
地面の雪の明暗を塗り込んで、立体感を出しています。
更に雪を塗り込み、降雪を加えて完成!
全体的に青味がかった影を入れて、キャラクターにも雪の表現を追加しています。
降雪にはフィルターも加えて、色調補正で仕上げてイラストの完成です。
冬の寒そうな雰囲気が感じられる、臨場感のある雪景色のイラストに仕上がりました。
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冬をテーマにしたイラストでは、雪景色を描くことも多いと思います。
地面に積もっている雪や遠景の雪は、どのように描けばよいのでしょうか?
今回は、パルミー月謝制講座「キャライラスト背景講座 【雪背景編】」より、内容を一部抜粋してご紹介します。
雪の基礎知識や雪の描き方の手順を解説しています。
雪の基礎知識
雪景色のイラストでは、シチュエーションに応じて様々なバリエーションの雪を描きます。
まずは、雪の種類から覚えてみましょう。
①雪の種類
雪の種類は、大きく分けて「積雪」と「降雪」があります。
積雪は、地面などに積もっている雪のことです。
降雪は、空から降ってくる雪のことを指します。
3種類の積雪
新雪
降って間もない雪で、結晶の形を残しています。
さらさらして柔らかい特徴があります。
こしまり雪
降り積もって数日が経過した雪です。
雪の結晶が残っておらず、やや固くなっています。
ざらめ雪
雪が溶けたことにより、水分を多く含んでいます。
氷の粒や雪同士が再凍結しています。
3種類の降雪
粉雪
寒いときに降る細かい雪で、粉のようにさらさらしているのが特徴です。
灰雪
やや厚みがあり、灰のようにひらひらと舞いながら降る雪です。
べた雪
雪の結晶がくっついており、粒が大きめの雪です。
ぼたん雪とも呼ばれています。
②雪の演出
積雪と降雪の作例イラストです。
場面に応じて、雪の表現を使い分けてみましょう。
新雪+粉雪
雪が降り始めたばかりのシーンです。
細かい粒上の粉雪のため、地面にも粒感があります。
こしまり雪+灰雪
数日経って固くなった積雪と、ひらひら降り続ける灰雪を描いています。
ざらめ雪+べた雪
ざらめ雪が溶けかけてシャーベット状になった道路と、大きめのべた雪を描いています。
③距離ごとの雪の表現
雪の表現を、近景・中景・遠景の3種類に分けて紹介しています。
近景の表現
キャラクターの吐息
寒い場所で、吐く息が白くなる表現です。
温度感を伝えることができます。
キャラクターへの積雪
頭や肩などに雪が乗っている表現です。
雪景色に馴染ませることができ、画面も少しリッチになります。
雪との接地面
靴などが雪に埋まっている表現です。
雪の柔らかさも伝えることができます。
中景の表現
積雪・雪の足跡
地面や建造物の積雪の表現です。
画面に対する雪の面積が大きくなりやすく、どれくらい積もっているのか、どんな気候なのかをコントロールできます。
木の枝
冬の木々は葉を落としているので、地味な印象になりがちです。
そこで、葉っぱの代わりに雪が乗っている表現を加えることで、リッチな印象が出せます。
遠景の表現
遠景が白く飛ぶ
降雪量が多いと遠くが白く飛んでしまい、はっきり見えなくなります。
山や木々
遠景の山や木々にも積雪を描き加えます。
標高の高い山頂に向かうほど、雪が溶けずに残っています。
④降雪の表現
3段階で表現する
降雪を大(近景)・中(中景)・小(遠景)と大きさを描き分けることで、奥行きの感じられる背景になります。
ぼかし・移動ぼかし
降雪をぼかすことで、降雪同士の遠近感を強調できます。
また、降雪に移動ぼかしをかけることで、風の強さを表現できます。
雪の描き方の実演
ペイントソフトのクリスタを使って、雪のイラストを仕上げていきます。
①ラフの工程で雪の配置を決める
イラストのラフ
イラストのラフを載せています。
ラフの上に新規レイヤーを作成して、雪を画面内のどこに配置するのかを決めていきましょう。
ラフの段階で全体像を計画しておくことで、完成イメージとのズレを減らせます。
ラフに雪を配置する
「オイルパステル」のブラシを使って、ざっくりと雪を塗ります。
近景の地面や柵、遠景の建物の屋根などに雪を置いています。
「オイルパステル」のダウンロード画面
キャラクターが歩いてきた、というシチュエーションを伝えるために、人物の足跡を描きます。
透明色を選択して、雪を消しながら足跡の形を作っています。
降雪を描くときは、[デコレーション]→[カケアミ]からトーン削り用のブラシを使います。
粒子サイズや粒子密度を調整して、パラパラと降っている雪を描きます。
ラフの工程では、雪を丁寧に描き込む必要はありません。
完成形の雪景色のイメージを固めることを目的に、ざっくりと雪を配置してみてください。
ラフの雪景色を元にして、本塗りをする
雪を追加する前のイラストを載せています。
先ほど作成したラフの雪の配置に沿って、雪景色の背景を仕上げていきましょう。
ラフでは、雪が降って喜んでいるようなシチュエーションでした。
キャラクターのポーズを変更して、待ち合わせしているシチュエーションに変更しています。
②遠景の雪を塗る
山の雪を塗る
[描き足し・かすれタッチブラシ]を使って山の雪を塗ります。
遠景の雪の粒感が表現しやすいブラシです。
「描き足し・かすれタッチブラシ」のダウンロード画面
雪を塗る際には、写真を参考にして積もり方などを確認しましょう。
ブラシのタッチを意識しながら塗る
雪が残りやすい山頂付近に多めに雪を描き、山の麓は雪を少なめに描きます。
雪の量に応じて、筆圧をコントロールしながら塗っていきましょう。
塗りすぎてしまった箇所は消しゴムで消すのではなく、透明色を選択して塗ります。
透明色を使うことで、ブラシのタッチを保ったまま色が消せます。
③中景の雪を塗る
植物の雪を塗る
中景の植物の雪は、[にじみ縁水彩]を使います。
クリスタに[にじみ縁水彩]が入っていない場合は、CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードしてみてください。
「ペン・ブラシ_Ver.1.10.9」のダウンロード画面
何回もブラシを重ねて、雪が多い部分と少ない部分を塗っていきます。
植物の上の方は雪が積もりやすいので、雪を多めに描きましょう。
遠近感を意識して雪を塗る
葉っぱのシルエット状に積もっている雪も混ぜて、アクセントを出します。
植物をブロック単位で考えて、隣の植物との境目は雪を薄く塗ります。
植物の塊が4つ~5つ並んでいるように見せて、奥行きを出しています。
植物の真下は雪が積もりづらいので、少し離れた位置に雪を積もらせています。
青味のある影を乗せる
水路の手前側の植物も雪を積もらせます。
雪を塗り終えたら、新規レイヤーをクリッピングして、影を入れます。
影になっている植物の下部の辺りに、エアブラシで薄い水色を乗せています。
④近景の雪を塗る
地面の雪を塗る
新雪とこしまり雪の中間ぐらいの、柔らかめの雪を想定しています。
[オイルパステル]を使って地面に雪を置いていきましょう。
画面に対して縦方向に雪を塗ると、遠近感が出づらくなってしまいます。
横方向にブラシを動かして地面の雪を塗ります。
雪の積もり方にメリハリをつける
柵の影になっている箇所は日が当たらず、雪が多く残っています。
柵付近の雪は多めに描き、高低差をつけています。
キャラクターの足跡を描く
[オイルパステル]で透明色を選択して、足跡の形に雪を削っていきましょう。
キャラクターの足のサイズと大きさを合わせて、足跡を描きます。
新規レイヤーを作って、削った足跡の上に新たに雪を乗せてみるのもオススメです。
雪が少し残っている感じを簡単に出せます。
また、足跡の側面を青味がかった灰色で塗り、足跡に厚みを出しています。
雪を塗り込む
動物の足跡も加えています。
地面の雪の明暗を塗り込んで、立体感を出しています。
更に雪を塗り込み、降雪を加えて完成!
全体的に青味がかった影を入れて、キャラクターにも雪の表現を追加しています。
降雪にはフィルターも加えて、色調補正で仕上げてイラストの完成です。
冬の寒そうな雰囲気が感じられる、臨場感のある雪景色のイラストに仕上がりました。
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